睡眠時無呼吸症候群について
睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)とは、睡眠時に呼吸停止、または低呼吸になる病気のことです。
SASの診断は、まず問診で自覚症状や日頃の睡眠状況をお聞きすることから始まります。当院では、ご自宅で睡眠中の呼吸の状態を調べる機械でSASかどうかの簡易検査を行うことができます。睡眠中や日中の気になる症状がありましたら、ご相談ください。
下記のいずれかがあれば、睡眠時無呼吸症候群が疑われます
- いびきがうるさいと言われる
- 日中の眠気がある
- 朝起きると体が重い など
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が止まり、十分な睡眠が得られないことによって日中の眠気を催します。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の主な症状
- 倦怠感
- 熟睡感が無い
- 起床時の頭痛
- ED(勃起不全)
- 夜中に何回もトイレに行く
- 集中力や記憶力の低下 など
きちんと治療しなければ、交通事故、高血圧や糖尿病、心疾患や脳卒中などを招く確率が大幅に上昇します。
仕事や家事などの私生活に悪影響が出やすいため、放置するのは禁物です。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の簡易検査
上記のような症状に心当たりのある患者様は、睡眠時無呼吸症候群の「簡易検査」をお勧めしております。専用機器を使い、ご自宅で検査を行っていただき、当院で解析いたします。睡眠時無呼吸症候群の診断、および症状の程度を測定するための検査です。
口と鼻に呼吸センサーを、指に血中酸素濃度を調べるセンサーを取り付け一晩就寝していただき、時間当たりに10秒以上の無呼吸・低呼吸が何回生じるか、また同時に血中酸素濃度の低下が起こっているかなどを調べます。
睡眠時無呼吸症候群の治療法
睡眠時無呼吸症候群の原因、また個々の患者様の状態に応じて、下記のような方法のなかから治療法を選択します。
CPAP療法による治療
8年間放置すると、なんと死亡率が約37%になるという報告もあり、軽視すると怖い病気です。しかしCPAP療法などできちんと治療すれば、健常人とほぼ生存率は変わらないと言われています。
家族や友人から、睡眠中のいびきや呼吸の一時的停止を指摘されたことがある方は睡眠時無呼吸症候群の可能性が疑われるので、一度当院を受診してください。
*CPAP療法(Continuous Positive Airway Pressure=経鼻的持続陽圧呼吸療法、通称シーパップ):
鼻に装着したマスクから圧力を加えた空気を送り込むことによって、ある一定の圧力を気道にかけ、気道の閉塞を取り除く治療法です。中等症から重症の患者様にとても有効で、今や睡眠時無呼吸症候群の最も重要な治療法となっています。
マウスピース
主に軽症の患者様が適応になります。
気道を広く確保するために、下あごを上あごよりも前に出るように固定できる専用のマウスピースになります。
当院の歯科で作成することができます。気軽にご相談ください。
生活習慣病の改善
以下に該当する方はご注意ください。
- 肥満の方は、減量のために適度な運動を心がけ、食事も腹八分目にしましょう。
- 寝酒はやめましょう。お酒は筋肉を弛緩させるため、気道の閉塞をさらに悪化させる可能性があります。
- 睡眠薬の中には筋弛緩作用を有するタイプのものがありますので、服用にあたっては主治医にご相談ください。